平成27年度 マネジメント研修会  開催される

生涯学習
2016.03.01
 平成28年1月30日(土)、31日(日)の両日、日本診療放射線技師会主催のマネジメント研修会が、大阪コスモスクエア国際交流センターで開催された。本研修会は、主にマネジャーを対象にした会員が全国から参加し、合宿形式で行う研修会である。

 本研修会の目的は、各医療機関が進めている経営の効率化や能率化に対応できる人材、そしてチーム医療が叫ばれている中で、指導的役割を担う診療放射線技師の育成を目指すとともに、同じ目的を持った受講者同志のネットワークづくりの場を提供することが目的である。内容は、当初よりこの研
修会で要望の多かった経営管理(原価生産管理・経営戦略)、人材育成(組織・人事考課制度)を中心に構成された。

 しかし、本研修会も5年が経過し、本年度は新たに職場教育を焦点に当てた構成を試みた。開催テーマ「専門職の職場学習(人材開発)を学ぶ–人が伸びる職場風土の特徴–」として、特別講演?は北海道大学大学院経済学研究科 松尾睦教授による「経験からの学習〜診療放射線技師におけるプロフェッショナルへの成長プロセス〜」と題した講演を頂いた。実際に診療放射線技師に行ったアンケート調査に基づき、専門性を高め、コミュニケーション能力を向上させるためにはどうあるべきかを問う、非常に興味深い内容であった。

 本研修会の目的は先に述べた通りであるが、もう一つの狙いとして、マネジメントスキルの向上を目指す会員や実際にマネジメントスキルを求める管理者の皆さんに対し、本会会長を身近に感じてもらいたい思いがある。そのため中澤会長には多忙の中、毎年出席をお願いしている。会長には、基調
講演とナイトセミナーにも参加していただき、医療職場の管理者として蓄積された経験を基に助言を頂いた。

 初日の参加型ワークショップは「人が伸びる職場風土のポイント」をテーマに、参加者が職位別グループに分かれ、立場や状況による違いから、思考の差を討論の中で浮き彫りにして問題解決を図るよう試みた。参加者の多くが各職場において、多くの問題を抱えているかのように熱心に討議の輪に
参加した。毎年、マネジメント研修会開催に際し、役員として参加をお願いしている聖隷福祉事業団 日下部行宏氏や上尾中央医科グループ 田中武志氏にアドバイザーを依頼し、グループ討議での助言をお願いした。教育講演?では、本会国際部の児玉理事による「診療放射線技師のグローバル化」
と題して、世界の教育状況やJARTが取り組んでいる活動の現状、そして日本の診療放射線技師が目指すべき方向など、国際部の視点から熱く語っていただいた。

 最後は、本研修会の目玉になりつつある、ナイトセミナーで例年延長に次ぐ延長で、時には深夜に及ぶこともある熱いフリーディスカッション型討論会(本音で語る)が行われた。司会進行役は、中井記念病院 松岡孝明氏と刈谷豊田総合病院 前田佳彦氏に依頼し、今回のテーマは「担当教育者に教育は必要か」と題し、セミナーは始まった。冒頭から参加者よりさまざまな意見が飛び交うが、両氏の掛け合いで、実に軽快に問題の切り口を多角的に意見集約していく。熱気の中、気付けばスタートから4時間が経過していたが、参加者は誰一人として席を立つことはなかった。

 研修会翌日は、特別講演?日本画像医療システム工業会診療報酬委員会 鍵谷昭典委員長から「放射線部門における診療報酬制度と今後の改定ポイント」についての話を聞き、今後の医療機関における対応策が検討された。また教育講演?は、生涯教育担当 中村理事より、本会の生涯教育の見直しからクリニカル・マネジメントラダーの構築の取り組みについて現状報告がされた。特にマネジメントラダーは本研修会に大きく関わりを持つ事項であり、参加者の関心も高いように感じた。

 本年度のマネジメント研修会も活気にあふれ、無事に終えることができた。そして本研修会の参加者の中には、毎年参加してくれるリピーター会員も存在し頼もしい。最後に、講師の皆さま、参加された会員の皆さま、そして関係者の皆さまに感謝する。

人材育成委員会マネジメント研修班 委員長 佐野幹夫
マネジメント研修会
中澤会長による基調講演
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