放射性医薬品の過剰投与事故について

ニュース
2012.12.01

放射性医薬品の過剰投与事故について

国民の皆さまへ 
 
  放射性医薬品の過剰投与事故について 
                                      
 
 
 平成 23 年 9 月 1 日、甲府市立甲府病院において発生した、放射性医薬品過剰投与事故が新聞報道されました。本会としましては、「放射線量適正化のための医療被ばくガイドライン」を 2006 年 11 月に会告し、被ばく低減のための目標値を定めるとともに、このガイドラインの実践を全国の会員に対し推進してきました。
 今回の事例は、報道された数値が事実だとすれば、われわれ診療放射線技師の考える常識の範囲を逸したものであり、他の病院では起こりえない事例であると考えます。医療被ばくは、患者さんが受ける利益を放射線被ばくによる損益が上回ることのないように、科学的根拠を基に十分検討し可能な限り低く抑える必要があります。本会はその実現のために、2007 年より「医療被ばく低減施設認定事業」を展開し、さらなる医療被ばく低減を進めているところです。
 放射性医薬品を使用した核医学検査は、現在の医療において重要な診断情報を提供することができる検査方法です。下記に今回問題となった放射性医薬品に関しての本会が定める低減目標値を示しました。
検査項目薬剤(RI)投与量[MBq]
腎静態検査 99mTc-DMSA 300
 今回の事故を受け、全国の核医学検査実施施設に対して、放射性医薬品の投与量などに関する実態調査を実施し現状の把握を行うとともに、今後このような事故が起きないよう、診療放射線技師の生涯教育の充実を図り、資質の向上に努めてまいります。
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