生涯教育について

業務拡大に伴う統一講習会について

診療放射線技師法の一部改正に伴う研修会(統一講習会)とは,どのようなものですか?
「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための法律の整備に関する法律案」(医療・介護制度改正の一括法案)が,第186回通常国会において平成26年6月18日に成立し,6月25日に公布されました.この一括法案の中には,医療従事者の業務範囲および業務の実施体制の見直しとして「診療放射線技師法」も含まれています.今回の診療放射線技師法の改正には,診療放射線技師が実施する検査に伴い必要となるCT,MRI検査時の造影剤の血管内投与,投与後の抜針・止血の行為,下部消化管検査時などの肛門からのカテーテルの挿入などについて,診療の補助として医師の指示を受けて行うものとし,業務範囲に追加されます.また診療放射線技師が,病院又は診療所以外の場所において,健康診断として胸部エックス線撮影のみを行う場合に限り,医師又は歯科医師の立会いを求めないとされました.そして核医学診断装置については,これまで法的に診療放射線技師の業務として明確になっていませんでしたが,技師法第24条第2項の業務などに追加されました.以上のことから,医療安全を担保した業務が行えるよう統一講習会を企画しました.
この講習会は受けなければならないのでしょうか?
診療放射線技師法が2014年6月18日に一部改正が行われました。具体的には、CT・MRI検査等での自動注入器による造影剤の注入、造影剤注入後の針の抜針・止血や、下部消化管検査の実施(カテーテル挿入も含めて)、画像誘導放射線治療時の腸内ガスの吸引のためのチューブ挿入であり、診療放射線技師の業務内容の拡大です。近年の医療現場の現状を考えれば必然的なものであったと言えます。しかし、以上の業務を行うための絶対条件として、医療の安全を担保することが求められています。そのため、業務拡大に伴う必要な知識、技能を習得することが努力義務として課せられました。
日本診療放射線技師会の活動の基軸は診療放射線技師法です。したがって、法改正の対応は最も重要であり、真摯に対応すべきと考え、業務拡大に伴う知識・技能の習得のための講習はすべて受講していただくこととしました。また、このような対応が厚生労働省にも認められているところです。
日本診療放射線技師会としては、厚生労働省と協議の上、講習会を企画し、法改正に伴う「診療放射線技師(会員、非会員関係なく)の教育・研修の場を提供する」ことが役割と考え、開催した次第です。この講習会をベースに、職場で更に教育・学習を行い、安全な医療・質の高い医療が提供できるようお願いしたいと考えているところです。
この講習会の受講資格はありますか?
診療放射線技師免許取得者に限ります.
講習会はいつまで開催しますか?
診療放射線技師養成機関において,この業務拡大に伴う実習の開始が平成28年度から予定されており,4年後の平成32年度に卒業者が出てまいりますので,それまでは継続する予定です.
現在,診療放射線技師養成機関の学生ですが受講は必要でしょうか?
今回の業務拡大に伴い,診療放射線技師の養成機関のカリキュラムが見直されます.在校生は本研修会を受講する必要がありますが,新しいカリキュラムで講義を受ける方は,本講習会を受講する必要はありません.
講習会を受講したいのですが,どのような手続きをしたらよいですか?
本会の会員情報システム(JARTIS)からお申し込みください.ただし,現在講習会受講申込システムを構築中であり,使用開始は7月1日を予定しております.また本会はこの業務拡大に伴う講習会に先立って「静脈注射(針刺しを除く)講習会」を実施しており,平成27年度においてはこの受講者を優先するシステムとなっていますことをご了解ください.
この講習会は全国で開催されるのでしょうか?
本会8地域(北海道,東北,北関東,南関東,中日本,近畿,中・四国,九州)において予定しております.JART会誌あるいはホームページでご確認ください.
この講習会の問い合わせ先はどちらですか?
電話(03-5405-3612)または本会ホームページ「お問い合わせ」より,「業務拡大に伴う統一講習会担当者」までお問い合わせください.
日本診療放射線技師会の会員ではありませんが,受講できますか?
診療放射線技師の免許を取得されている方は,会員・非会員問わず受講できます.ただし,受講料が異なっておりますのでご確認ください.
この講習会の受講料はいくらでしょうか?
JART会誌5月の19ページに掲載されている4パターンでご確認ください.
日本診療放射線技師会の会員ではありませんが,講習会の申込時に会員登録ができますか?
会員登録は,都道府県診療放射線技師会との連絡や会費が納入されて正式の会員となるまでに,最低2週間の時間が必要となります.この際,ご入会を予定されている方はあらかじめ入会手続きをお願いします.
受講予定日に都合により受講できませんでした.受講料は返金していただけますか?
会場費や講師および備品などの経費とさせていただいているため,返金は致しませんのでご了承ください.
この講習会の申し込みはいつまでに行えばよいのでしょうか?
準備の都合上,開催日の2週間前までに行わなければ受講できません.
受講料の払い込みはいつまでに行えばよいのでしょうか?
準備の都合上,払込票記載の支払期限までにご入金ください.
講習会の申し込み変更(受講日・受講場所)は可能ですか?
申し訳ありません.申し込み後の受講日・受講場所などの変更は認められません.
講習会当日は何を持っていけばよいですか?
筆記具・消しゴムなどをご持参ください.実技がありますので動きやすい服装がよいでしょう.
受講を申し込みましたが,当日受講できなくなりました.
受講当日のキャンセルはできません.また日程変更などもできません.講習会当日は各開催会場の担当者にご連絡ください.
修了証書は,全国どこの病院でも通用しますか?
本講習会は厚生労働省の後援を頂きましたので,厚生労働省医政局長と本会会長の連名で修了証書が発行されます.従いまして全国で通用します.
業務中,修了証書の携帯は必要ですか?
修了証書の携帯は不要ですが,修了者バッジを白衣に着けてください.なお修了証書の(写し)を勤務先に提出してください.
修了証書に有効期限はありますか?
「 修了証書」に有効期限はありません.
私は現在CTやMRI検査を担当しており,これから下部消化管検査や画像誘導放射線治療を行う予定がありませんが,全カリキュラムを受講しなければいけませんか?
本会は,この講習会を全診療放射線技師の業務拡大として認識しており,業務拡大全体を修得していくべきと考えております.また数年後には,この全てのカリキュラムを修得した学生が卒業してきます.以上から2日間のカリキュラムを受講いただき,修了証書が発行されます.
なぜ一次救命処置(BLS)をするのですか?
医療人として医療救急処置対応が必要であるとの意見が多くあり,かつ今回は,診療放射線技師が造影剤を使用する部署および担当者であることからカリキュラムに組み込まれました.
今回の業務拡大について,医政局長通知などによる日放技講習会修了の義務などはないのでしょうか.
Q2と重複しますが,追加説明しますと,診療放射線技師が新たに業務を行うに当たっては,法令により研修の受講が義務付けられているものではありませんが,医療安全の確保の観点から,新たな業務を行うに先立って,公益社団法人日本診療放射線技師会が実施する研修を受ける必要があること,また当該研修における教育内容は,定められた内容以上(2日間16単位)が示されており,確認試験を実施し,達成目標に到達したことを確認し,修了証書が与えられます.
技師会教育研修を受講していても,統一講習会を受講しないと抜針など行えないのでしょうか?
業務拡大に伴う講習会ですから,この講習会を受講ください.以前実施していた静脈講習会(針刺しを除く)や注腸検査講習会の受講者は当該科目が免除されます.
技師会教育研修を受講した者は抜針などを4月から行えるのでしょうか?
業務拡大に伴う講習会は,平成27年7月から申し込みを受け付けます(当初は静脈講習会(針刺しを除く)受講者を優先).講習会を受講し,確認試験に合格してください,その後,厚生労働省医政局長印の修了証書と修了バッジが送られますので,安全性という面から見ても業務拡大に伴う講習会を修了後に業務を行うことを推奨します.
病院長認可の施設研修会を実施することで可能でしょうか?
施設内で研修を受けて施設内での実施であれば,否定するものではありませんが,平成27年3月31日医政医発0331第2号では,新たな業務を行うに当たって公益社団法人日本診療放射線技師会が実施する研修(厚生労働省後援)を受ける必要があるとされました.
施設研修会を実施し抜針などが可能と判断した場合,法令に違反しませんか?
法令違反にはなりません.ただし,日本診療放射線技師会は厚生労働省から医療安全の観点について,この講習会の質の担保を強く求められております.
診療放射線技師法一部改正により,平成27年4月1日以降,業務拡大に伴う統一講習会を諸事情により受講できなかった技師がそれぞれの業務を行った場合,違法になるのでしょうか?
業務拡大に伴う統一講習会を諸事情により受講できなかった技師が,それぞれの業務を行っても違法にはなりません.ただし,その業務により何らかの事故が生じた場合には,講習会の受講の有無により,業務上過失責任の重さが変わってくるのではと思われます.そのためにも,新たに業務を行うに先立って,法令により研修が義務付けられているものではありませんが,公益社団法人日本診療放射線技師会が実施する研修を受けることを推奨します.
CT検査やMRI検査においてライン確保されたところから造影剤を接続し,造影剤注入装置ではなく手押しで注入することはできますか?
今回の法改正は,CT検査,MRI検査における造影剤注入器を用いた造影剤の注入となっているので,手押しによる造影剤注入行為は認められていません.
下部消化管検査においてカテーテルから空気・造影剤を注入できますが,空気の代わりに二酸化炭素を用いることはできますか?
法律では空気のみと規定されており,二酸化炭素を除外するものではありませんが,二酸化炭素を使用することは医師の判断となりますので,医師に確認する必要があります.
放射線技師法改正により業務範囲が拡大されることとなりましたが,下部消化管検査に関する業務で,下部消化管検査に際してカテーテルを挿入する…の「下部消化管検査」には,注腸検査・大腸CT検査が含まれると考えてよろしいでしょうか.検査単位ではなく,肛門にカテーテルを挿入するという手技についての業務拡大という認識ですので,注腸検査・大腸CT検査も含まれると考えてよいですか?
残念ながら,CTC(大腸CT検査)は含まれません.あくまで法律に記されているのは下部消化管であって,CTCは記載されておりません.下部消化管検査はX線透視を使用して造影剤や空気の状態を把握しているがCTCはブラインド下であり,診療放射線技師に実施させるのは危険で,放射線科や消化器科の医師がすべきであるという意見がありました.
診療放射線技師の業務拡大に伴う医政局長通知が出されていますが,文面の最後に「……これらの行為を行うことによって,診療の補助として医師または歯科医師の具体的な指示を受ける必要がある」と記されておりますが,具体的な指示をどのような形で残したらよいのですか?
診療の補助として業務拡大になったものについては,例えば造影剤の扱いについては静脈路に造影剤注入装置を接続する行為,造影剤を投与するために注入器を操作する行為,終了後の抜針止血行為全て「検査関連行為」という位置付けです.CT検査オーダーに全てが含まれているということです.この件については医師の具体的指示が必要となりますが,一例一例具体的な指示を出すことが困難ですので,それぞれの事例について院内ルールを作って,それに基づき運用することが一般的です.従いまして医師の具体的な指示書が必要ではなく,現行のCTやMRI検査オーダー書でよいという判断です.そこで検査を担当した診療放射線技師名が必要となります.オーダリングシステムには実施技師名を入力する場所があるはずですので新たに作る必要はありません.
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